健康情報: 薬剤の副作用による睡眠障害

2008年10月21日火曜日

薬剤の副作用による睡眠障害

不眠症やその反対の嗜眠。
ストレスや不規則な生活など様々な原因がありますが、薬の副作用による睡眠障害も意外と多いそうです。
薬の副作用による睡眠障害の症状には、不眠、日中の眠気、睡眠時の幻覚に伴って異常行動を起こす睡眠随伴症などがあります。でも、薬剤誘発性睡眠障害のメカニズムはほとんど明らかになっていないため、薬剤の副作用と気付かずに睡眠薬が処方されているケースも少なくないとか。
特にステロイドでは、不眠が高頻度で起こり、インターフェロンではうつ症状が起こったりすることがあるそうです。ステロイドやインターフェロンの副作用は、専門家には良く知られているので、薬剤師や医師に相談すれば、睡眠障害が薬から来ている可能性を考えて、他の薬に変更してくれるかもしれませんが、他の薬剤でも睡眠障害が起こる可能性があり、それらは専門家も見過ごしてしまうかもしれません。
次表は、睡眠障害をもたらす薬剤の例です。
│ │ │ │ │
│ ステロイド製剤 │ │ プレドニゾロン │ 不眠 │
│ インタ―フェロン製剤 │ │ │ 興奮・不眠・焦燥・せん妄・幻覚 │
│ 抗ヒスタミン薬 │ │ ジフェンヒドラミン │ 不眠・過眠 │
│ 抗パ―キンソン病薬 │ ドパミン製剤 │ レボドパ │ 不眠・過眠・悪夢 │
│ │ MAO-B阻害薬 │ セレギニン │ 不眠 │
│ │ ドパミンアンタゴニスト │ プラミペキソ―ル │ 不眠・突発性睡眠 │
│ │ ドパミン放出促進薬 │ アマンタジン │ 不眠 │
│ │ 抗コリン薬 │ トリヘキシフェニジル │ 不眠・幻覚・興奮 │
│ 抗精神病薬 │ 第一世代抗精神病薬 │ クロルプロマジン、 │ 眠気・むずむず脚症候群 │
│ │ │ ハロペリド―ル │ │
│ │ 第二世代抗精神病薬 │ リスペリドン、オランザピン、 │ 眠気・むずむず脚症候群 │
│ │ │ クエチアピン │ │
│ │ 第三世代抗精神薬 │ アリピプラゾ―ル │ 不眠 │
│ 抗うつ薬 │ 三環系、四環系抗うつ薬 │ アミトリプチリン、ミアンセリン │ 眠気 │
│ │ SSRI、SMRI │ パロキセチン、フルボキサミン、 │ 不眠 │
│ │ │ ミルナシプラン │ │
│ 降圧薬 │ β-遮断薬 │ プロプラノロ―ル、アテノロ―ル │ 不眠・悪夢 │
│ │ カルシウム拮抗薬 │ ニフェジピン、ベラパミル │ 焦燥感・過覚醒 │
│ 睡眠薬 │ ベンゾジアゼンピン系薬剤 │ トリアゾラム、ジアゼパム、 │ 眠気・反跳性不眠 │
│ │ │ フルニトラゼパム │ │
│ │ 非ベンゾジアゼンピン系薬剤 │ ゾクピリン、ゾルピデム │ 眠気・反跳性不眠 │

※不眠症の診断基準
a.不眠の4タイプ(入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害)が認められる。
b.それにより日中の生活に支障が及んでいる。


※不眠症治療は睡眠環境を適切なものに整えることが重要です。

a.寝酒
  眠りを浅くし、中途覚醒につながるので逆効果。
  耐性を生じ易いので、アルコール量も増える。
  睡眠薬の副作用(健忘や転倒など)の副作用も増強される。

b.昼寝
  20~30分程度なら良いが、長時間の昼寝は夜の睡眠を妨げる。
  うたた寝にも注意。

c.就寝時間
  眠くなってから、布団に入りましょう。
  寝付くのに時間がかかるからといって、早目に布団に入りすぎた場合、
  布団に横になっているのに眠れないという経験が重なり、
  眠りを意識しすぎて本当に眠れなくなってしまうことがあるので、
  眠くなってから布団に入るのが望ましい習慣です。

d.その他
  決まった時刻に就寝・起床する(特に起床)
  寝る少し前から部屋を暗くしてテレビやPC などの強い光を避ける
  朝は日光を浴びて生体リズムを取り戻す