健康情報: 11月 2008

2008年11月28日金曜日

ガン治療に使われる漢方薬・民間薬・健康食品類

1.白英(びゃくえい・はくえい)、蜀羊泉(しょくようせん)
ヒヨドリジョウゴ(ナス科の蔓(つる)性多年草)の全草
特に子宮ガンや乳ガンに良い
苦いので飲みにくい
  書物によっては有毒となっているが、実際は毒性は問題とならない。

2.薏苡仁(よくいにん)
ハトムギ(イネ科の一年草)の種子
皮膚ガンや乳ガンが体表面に表れたものなど表皮のガンに効く
イボ取りの妙薬として有名

3.梅寄生(ばいきせい)
ウメノキタケ(サルノコシカケ科)の子実体(しじつたい)
サルノコシカケ類を使う時は、縦断面の肉質を見て、縦の繊維質のものを選ぶ。
サルノコシカケには、カサの縦断面(木に向かって放射線状に、縦に切断した面)を見ると、肉質部が縦の繊維質のもの、つまり、細い針のような茶褐色の組識が連続しているものや、肉質部が綿状のものなどがあります。中には、厚い皮のような組織が層をなしているものもあります。効果・作用からそれらを比べると、抗潰瘍・抗腫瘍活性では、一番強いのが縦の繊維のもので、次いで層をなしているものが強く、最も弱いのが綿状のものです。綿状のものには、逆に腫瘍をつくるのてはないかと思わせるような作用があるものもあります。ちなみに、梅の木にできるウメノキタケ(梅寄生)は、縦の繊維質のものしかできません。
特に胃ガン、大腸ガンなどの消化器系のガンに良い

4.夏枯草(かごそう)
ウツボグサ(シソ科の多年草)の花穂(かすい)
ウルソール酸、プルネリンが含まれる。
リンパの流れを良くし、消炎・利尿・排膿剤として使われる。
瘰癧(るいれき)(リンパ節の腫れ)、腫物、浮腫に応用される。
1日30g

5.山豆根(さんずこん、さんづこん)
ミヤマトベラの根
1日5~10gを煎じて服用。
解熱・鎮痛・解毒剤
のどの腫痛、痔、便秘などにも効果

6.射干(やかん)
ヒオウギの根茎(種子でも良い)
1日3~10gを煎じて服用。
舌ガンや咽頭ガンの症状の緩和に効果があるので補助療法として使う。


7.赤芽柏(あかめがしわ)
アカメガシワの樹皮
1日3~10gを煎じて服用
茎葉を用いる時は大量を使う。
各種のガンに良い

8.藤瘤(とうりゅう・ふじこぶ)
フジ(Wisteria floribunda)(マメ科の蔓性落葉低木)の樹皮にできている瘤(こぶ)を用いる。
イソフラボノイドに発癌抑制作用がある。
藤瘤・菱実(ひしの実)・訶子(カシ、ミロバラン)・薏苡仁(ヨクイニン、はとむぎ)を組み合わせたものが、
WTTCとして、知られている。
下記のWTTCの項参照。

9.菱実(りょうじつ)
ヒシ(ヒシ科の一年草)の果実
滋養強壮、止痛、解毒作用がある。
抗ガン作用もあると言われ、胃ガン、子宮ガン、乳ガンなどに利用される。

10.訶子(かし)、訶梨勒(かりろく)
ミロバラン(シクンシ科の落葉樹)の果実
タンニンやエラグ酸などを含み、収斂止瀉(しゅうれんししゃ)作用がある。

11.ヒメヒオオギズイセン(ヒメヒオウギズイセン)
鱗茎(りんけい)(地下茎の一種)を、輪切りにしたり細かく刻んだりして熱湯を注いで飲む。
体温を上昇させる(40℃くらい)ことでガンに効く
鹿児島県永利町(ながとしまち)に伝わる民間薬。この地方ではナガシバナと呼ばれる。
鹿児島県川内(せんだい)市の渡辺国象先生(医師)によって伝承されている。

12.烏梅(うばい)                         
バラ科のウメの実(青梅)の燻製(くんせい)
モルヒネの効かないような末期ガンの痛みにも効いたという例がある。
近年、抗腫瘍活性が認められたとの報告もある。
ただし、市販品は熟した梅を使って作った染色用のものである可能性が高いので、自作したほうが良い。

13.赤小豆(しゃくしょうず・せきしょうづ)
マメ科のアズキの種子20~30gを煎じて飲む
腎機能を高め、利尿剤として働き、腹水を除く効果が期待できる
自然塩と一緒に炊いて食べても良い
鯉(こい)と一緒に炊くと一層良い
砂糖を入れると効果はなくなる(例:餡(あん)、お汁粉(しるこ))

14.桂枝茯苓丸加薏苡仁白英梅寄生(けいしぶくりょうがんかよくいにんびゃくえいばいきせい)
(桂皮4 茯苓4 桃仁4 芍薬4 薏苡仁30 白英5~10 梅寄生30~50)
家伝薬
  肺ガン以外のガンには一押しの薬方。
  白英(はくえい、びゃくえい)は、ヒヨドリジョウゴのことで、生薬としては入手し難く、味もかなり苦いので、無ければ無くても仕方がない。(あった方が良い)
  中国では比較的良く使われていて入手し易いとのこと。
  上記のうち、薏苡仁までは、保険がききます。
  エキス剤(桂枝茯苓丸加薏苡仁)も出ていますし、各生薬も薬価収載されています。
  残念ながら、白英と梅寄生は薬価収載されていませんので、保険は使えません。

 

15.利膈湯(りかくとう)〔本朝経験(ほんちょうけいけん)(名古屋玄医(げんい))〕
半夏(はんげ)6.0~8.0 附子(ぶし)0.5~1.0 梔子(しし)3.0
浅田流では、乾姜(かんきょう)2.0~3.0 甘草(かんぞう)2.0を加える。(利膈湯加味(りかくとうかみ))
また、茯苓(ぶくりょう)杏仁(きょうにん)甘草湯を合方することもある。
〔目標〕食道の通過障害に用いる。食道の内外に原因があって狭窄(きょうさく)をおこし、嚥下(えんげ)困難、嘔吐、口渇(こうかつ)があって、粘稠(ねんちゅう)な痰や唾液を吐くものである。
〔説明〕本方は、食道癌など予後不良の疾患に用い、粘稠な粘液を多量に喀出(かくしゅつ)し、通過障害がなくなって、病状が軽快する。しかし この効果は、多くは一時的なもので、疾患を根治させることは少ない。しかし 良性腫瘍などの予後のよい疾患には著効がある。
〔応用〕食道癌、胃癌(噴門(ふんもん)癌)、食道ポリープ、食道狭窄、食道痙攣(けいれん)、食道憩室(けいしつ)など。
◎飲み難いが、乾姜・甘草は入れない方が良く効くことが多い。

16.WTTC、船越の胃腸薬
藤瘤・菱実(ひしの実)・訶子(カシ、ミロバラン)・薏苡仁(ヨクイニン)各10~15gを煎剤として用いる。
古くから横須賀市の薬局で、「船越の胃腸薬」と称して用いていたものを、昭和30年頃に、千葉大学の中山恒夫教授がガンに有効だと発表して有名になった。
WTTCという名は、藤瘤(Wisteria floribunda)・訶子(Terminalia chebula)・菱実(Trapa japonica)・薏苡仁(Coix lacyma-jobi)の植物学名(ラテン名)の頭文字をつないだものである。
  長倉製薬株式会社(大阪)が、W.T.T.C.という名称で商品化しています。(粒です)
  内容は、1日量(6.0g)中、
  フジの瘤、ヒシの実、ミロバラン、日局ヨクイニン各15gの混合水溶性エキス6.0gに
  ヨクイニン末適量  となっています。
  500g入りで、35,700円くらいで、販売されています。
  問い合せ先URL:http://www.nagakurakanpo.com/contact/index.html


 土方康世氏(茨木市・東洋堂土方医院)は、WTTCに霊芝・梅寄生(ラテン名の頭文字GE)を加法したものを、WTTC-GEと称して、単純ヘルペス感染症(口唇ヘルペス、ヘルペス性口内炎、性器ヘルペス等)や、胃ガンに応用。

17.片仔癀(へんしこう)
田七(でんしち)85%、蛇胆(じゃたん)7%、牛黄(ごおう)5%、麝香(じゃこう)3%
いわゆる中成薬(ちゅうせいやく)(中国の生薬(しょうやく)製剤)
肝炎や肝ガンに使われる
麝香がワシントン条約で規制されているので注意
   成分表に書かれているものを混ぜて製造しても効果は劣る。
   書かれていない成分が含まれるか、製造方法に秘密があると思われる。
   製造方法として発酵させている可能性が指摘されている。


18.カワラタケ
カワラタケ(サルノコシカケ科)の菌体成分(タンパク多糖体)は「クレスチン」として、消化器癌、肺癌、乳癌の寛解、改善に内服薬として繁用されている。
カワラタケの菌子体は、健康食品には使用不可。

19.白花蛇舌草(びゃっかじゃぜつそう)
フタバムグラ(アカネ科)の全草
1日30~120g程度


20.旋覆花代赭石湯(せんぷくかたいしゃせきとう)
旋覆花 代赭石 大棗(たいそう)各三  甘草(かんぞう) 人参各二 半夏(はんげ)五 生姜(しょうきょう)四 
胃癌や食道癌に良い
胃の重い感じがする人に用いる


21.防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)+香砂養胃湯(こうしゃよういとう))
胃癌の大きくなるのを防ぐ
細野史郎氏


22.丁香柿蒂湯(ちょうこうしていとう)
柿蒂3 桂枝3 半夏3 陳皮(ちんぴ)3 丁子(ちょうじ)1 良姜(りょうきょう)1 木香(もっこう)1 沈香(じんこう)1 茴香(ういきょう)1 藿香(かっこう)1 厚朴(こうぼく)1 縮砂(しゅくしゃ)1 甘草1 乳香(にゅうこう)1 (万病回春(まんびょうかいしゅん)・巻3・呃(あく)逆)
胃癌末期のしゃっくりに


23.紫根牡蠣湯(しこんぼれいとう)〔片倉鶴陵〕
当帰(とうき)五 牡蠣四 芍薬(しゃくやく)三 川芎(せんきゅう)三 升麻(しょうま)二 黄耆(おうぎ)二 大黄(だいおう)一 甘草一 紫根三 忍冬(にんどう)二
乳ガン等に用い、ガンの一時延命効果がある
水戸黄門(徳川光圀)の秘方といわれている


・漢方薬を用いる時は、基本として駆瘀血剤を考慮し、その他の薬方も適宜使用する。
・駆瘀血剤としては、一般的なものだけでなく、陳旧瘀血(陳久瘀血)に効果のある、水蛭(すいしつ、すいてつ)、虻虫(ぼうちゅう)、䗪虫(しゃちゅう)なども考慮する。
抵当湯(ていとうとう)抵当丸(ていとうがん)、大黄䗪虫丸(だいおうしゃちゅうがん)、下瘀血丸(げおけつがん)など。

・癌(がん)そのものは、実と考えた方が良いので、原則として瀉剤を使用し、必要に応じて補剤も用いる。
・人参の入った補剤については、ガンも元気にする可能性があるので、その使用については否定的な人もいる。
・上記にあげたものは、症状を改善するのみで、癌を良くするものではない場合もあるので注意。
・腹水には、分消湯などの駆水剤も考慮。
・いずれにしても専門家に相談した方が良い。

その他(健康食品等)
健康食品については、あいまいな情報も多い。
下記は一般的に言われていることで、学術的なものではない。

1.タヒボ(紫イペ)
  ノウゼンカズラ科
  パウダルコ、あるいは紫イペとも呼ばれる。
アマゾン奥地に自生する樹木の内部樹皮(樹木と外層と中の材との中間の樹皮)を用いる。
  ※樹齢30年以上
  含有成分「NFD」が平成9年7月、日本で「発癌プロモーション阻害剤」として成分特許を取得
アメリカ、台湾で「抗癌剤」として成分特許を取得
  フラノナフトキノン(FNQ)誘導体が含まれており、がん細胞のミトコンドリアで大量の活性酸素を発生させ、がん細胞を破壊すると言われています。
ラパコールという成分には、活性酸素除去効果が効認されているそうです。

 大阪府寝屋川市の藤本病院の川口雄才先生(医学博士)(元関西医大外科)が、「紫イペを利用」
手術によってNO(一酸化窒素(いっさんかちっそ))が発生しますが、これを紫イペ(タヒボ)が抑制。
「紫イペの肝iNOS誘導に対する抑制効果とそのメカニズム」日本肝細胞研究会で発表


2.プロポリス
ある種のミツバチが巣を作る際、樹液と自らの唾液等を混ぜ合わせニカワ状に作る接合剤。
ハチヤニとも呼ばれ、強力な抗菌作用がある。
血管内でリンパ球や顆粒球に直接働きかけて、パワーを与えることができる。
また、外敵と戦って傷ついたリンパ球や顆粒球を元の元気な状態に戻元する力もあると言われている。



3.AHCC
数種類の食用キノコ(担子菌)の菌子体培養抽出物。
有効成分はβ-グルガン等の多糖体やオリゴマー。
免疫活性物質インターロイキン(IL)12を体内で自然に誘導でき、キラーT細胞を活性化すると考えられています。


4.AHSS
  北海道のクマイザサの特殊な抽出物が主成分
  抽出方法は、循環多段式加圧抽出法と呼ばれる。

  
5.ILX
シイタケ、スエヒロタケ、マンネンタケの菌子体培養


6.キトサン
カニやエビの殻から精製されるもので癌細胞包括作用があるといわれる。
水溶性の低分子キトサンと不溶性の高分子キトサンがあり、それぞれが効果が高いとうたっている。
  キトサンは、「腸の表面に接触する」だけで効果があり、吸収される必要は無いとのこと。(腸管免疫の刺戟)

7.サメの軟骨
海に住むサメ(鮫)の軟骨。
ガンが増殖する時に必要とする酸素、栄養を運ぶ新生血管を阻害するといわれている。つまり、ガン細胞を兵糧攻めにする働きがあると称されています。(正常細胞を障害することは無いそうです。)
兵糧攻めにあったがん細胞は、がん細胞であることを示す抗原を出すようになり、この抗原を認識したキラーT細胞が、がん細胞を攻撃する。
 

8.フコイダン
コンブ・ワカメ・モズクなどの褐色の藻類(褐藻類)に含まれる特殊な多糖類。
抗腫瘍活性があると言われています。


9.プロバイオティクス&プレバイオティクス
乳酸菌・ビフィズス菌・ケフィア(ヨーグルトキノコ)、オリゴ糖等を利用して、腸内環境を整えることにより、免疫力を高める。


10.抗酸化物質(スカベンジャー)
活性酸素の害を抑える。
抗酸化ミネラル(セレン、亜鉛)、抗酸化ビタミン(VC、VE)、カロチノイド、ポリフェノール類(茶、ぶどう、ピクノジェノール・イチョウ・・・・・・etc)
逆効果との意見もある。


11.キャッツクロー(Cat's claw)
アルカロイドとして mitraphyline, isopteropodine, dhyncophyline, preropodine, isorhyncophylline, isomitraphylline その他として quinovic acid, glycoside, trypterphenes, catechinを含む。
ペルーではインカの時代より健康のために服用されてきた植物であり、優れた免疫力増加、鎮痛及び抗炎症作用がある。
ガンやエイズ、リウマチ、関節炎に効果が期待されている。

12.大豆イソフラボン
女性ホルモン様作用を示し、女性ホルモンの関与の深いガン(乳ガンなど)に効果があると考えられています。
  ・逆に乳癌(にゅうがん)などに悪いという意見も有。


13.シイタケ
シイタケに含まれるレンチナンが医薬品として使用されている。


14.スエヒロタケ
スエヒロタケに含まれるシゾフィランが医薬品として使用されている。

15.小麦発酵抽出物(IP-PA1、ソマシー)
小麦をパントエア菌(Pantoea agglomerans)で発酵させて得られたもの。
マクロファージの活性化。再教育。
http://www.macrophi.co.jp/ouyou/sozai/sozai01.htm


癌性腹膜炎(ガン性腹膜炎)による腹水については、下記のサイトもご参考下さい。
癌性腹膜炎(がんせいふくまくえん)による腹水の漢方治療法

2008年11月27日木曜日

漢方薬を理解する為の生薬(薬味)の組合せについて

二種以上の生薬を配剤した場合に現れる薬効は、ただ単に配剤された生薬の個々の薬効を全て記載したら済むと言う単純なものではなく、種々の変化が起こることがあります。
その事は清水藤太郎氏によって薬物の相互作用を、
1.相加作用(配剤された生薬それぞれの薬効の総和となる組み合わせ)、
2.相乗作用(配剤された生薬それぞれの薬効の総和よりも作用が強くなる強くなる組み合わせ)、
3.相殺作用(配剤することによって、それぞれの薬効の一部あるいは全部がなくなり、無効となる組み合わせ)、
4.方向変換(配剤されることによって、本来持っていたそれぞれの薬効とは異なった薬効を現すようになる組み合わせ)
の四種に分類されています。
この分類は、実際の薬方(漢方処方)の説明には非常に有効で、これらの組み合わせによる変化を常に頭に入れておかなければ失敗することは稀ではありません。
しかし、この相互作用だけで全ての薬方が理解できるほど漢方は甘くはありません。
生薬によれば、その有無、量の多少によっても薬方の本質にかかわるほどに重大な影響を与えるものもあります。
それらを理解して初めて漢方が理解できるとともに、漢方を正しく使用できるようになります。
生薬の相互作用で理解できるものとしては、
麻黄、桂枝、半夏、桔梗、茯苓、附子などがあり、
生薬の有無、量の多少によって薬方の主證あるいは主證の一部が決定するものには
柴胡、黄連、黄芩、芍薬、甘草などがあります。


麻黄(組み合わせなし) → 発汗作用

麻黄 + 桂枝 → 発汗作用(相加作用)

麻黄 + 石膏 → 止汗作用(方向変換)

麻黄 + 桂枝 + 石膏 → 大発汗作用(相乗作用)

麻黄 + 杏仁 → 鎮咳作用(方向変換)

麻黄 + 白朮 → 利尿作用(方向変換)


桂枝 → のぼせを抑える(組み合わされても変化しない薬効)(尿を止める)

桂枝(組み合わせなし) → 発汗作用

桂枝 + 麻黄・防風 → 発汗作用(相加作用)

桂枝 + 大棗 → 止汗作用(方向変換)

桂枝 + 芍薬 → 緩和作用(方向変換)

桂枝 + 白朮 → 利尿作用(方向変換)

桂枝 + 茯苓 → 利尿作用(方向変換)

桂枝 + 地黄 → 強壮作用(方向変換)

桂枝 + 茯苓 + 甘草 → 心悸亢進・めまいを治す(方向変換)


半夏(単独) → 胃のムカムカ(嘔)、咽喉痛を起こす

半夏 + 生姜 → 鎮嘔・鎮痛作用(方向変換・相殺作用)

半夏 + 大棗・甘草 → 鎮痛・鎮嘔作用(方向変換・相殺作用)


桔梗(単独) → 化膿・分泌物を治す

桔梗 + 芍薬 → 発赤・腫痛を治す(方向変換)

桔梗 + 芍薬 + 薏苡仁 → 化膿・分泌物も発赤・腫痛も治す (方向変換)

桔梗 + 荊芥・連翹 → 化膿・分泌物も発赤・腫痛も治す (方向変換)

桔梗 + 蕃椒(トウガラシ) →              (方向変換)


茯苓(単独) → 胃内停水を除き、心悸亢進・めまいを治し、利尿作用

茯苓 + 白朮 → 胃の機能亢進・胃内停水を除く

茯苓 + 猪苓・沢瀉 → 利尿作用

茯苓 + 桂枝 + 甘草 → 心悸亢進・めまい・筋肉の痙攣を鎮める


知母 + 石膏 → 口渇・漏水を治す


附子を表に導く 麻黄・葛根・桂枝・防風

附子を半表半裏~裏に導く 黄連・黄芩・乾姜・人参・茯苓

附子を全身に導く 防已・細辛・白朮・芍薬 → 水毒を除く

附子を食道・咽部・胸部に導く 半夏・山梔子


柴胡(4g以上) → 胸脇苦満(主証又は主証の一部)

柴胡(3g) + 順気剤 → 胸脇苦満(主証又は主証の一部)

柴胡(3g未満) → 体質改善(胸脇苦満はないかあっても弱い)


黄連・黄芩(合わせて1g以上) → 心下痞(主証又は主証の一部)


甘草 → 急迫症状の緩解(薬味の少ない時)

甘草湯 → 精神的な痛み、神経の興奮による各種の急迫症状を治す

芍薬甘草湯 → 急迫性の激しい筋肉の痙攣と疼痛のあるものを治す

甘麦大棗湯 → 甘草と大棗による急迫した筋肉の拘攣、神経の興奮、諸疼痛の緩解


芍薬(4g以下) → 全身の筋肉の拘攣の緩解(緩和・鎮痛作用)

芍薬(6g以上) → 裏位の筋肉の拘攣の緩解(緩和・鎮痛作用)


黄耆 → 盗汗、黄汗を治す

薏苡仁 → 皮膚を潤し、瘀血・血燥を治す(皮膚病・いぼ・ガン・むち打ち等)

人参 → 全身の水毒を除く

生姜 → 胃内停水を除く

乾姜 → 新陳代謝機能亢進(体を温める作用) + 生姜(胃内停水を去る)

蒼朮 → 麻痺作用

駆瘀血生薬  当帰・川芎・桃仁・牡丹皮・地黄

鎮咳薬 杏仁・五味子・麦門冬・大棗

順気生薬(鬱滞) 厚朴・蘇葉・枳実・薄荷

順気生薬(上衝) 桂枝



【鎮咳剤】
麻黄 + 杏仁

(麻黄)

杏仁

麻黄 + 石膏

五味子

細辛

麦門冬

大棗

麻黄 + 附子





【下剤、温補剤】
大黄 + 芒硝 + 順気剤(鬱滞)

大黄 + 順気剤(鬱滞)

大黄 + 芒硝 + 順気剤(上衝)

大黄 + 順気剤(上衝)

大黄 + 芒硝

大黄≒センナ≒アロエ
| (アロエは使わない方が良い)
山梔子

車前子

乾姜≒麦芽糖(マルツエキス)≒蜂蜜

附子

乾姜 + 附子

2008年11月26日水曜日

癌性腹膜炎(がんせいふくまくえん)による腹水の漢方治療法

 癌性腹膜炎(がんせいふくまくえん)とは、癌末期のひとつの兆候で、癌細胞が内臓を覆っている漿膜(しょうまく)を破って腹腔(ふっくう、ふくくう、ふくこう)内に広がり散らばった状態をいい、腹部全体に腹水が溜まり膨れます。
 肝臓、胆嚢、膵臓、胃、腸、子宮、卵巣、などの癌末期に多く起こります。
 癌性腹膜炎の根本的治療は困難で、利尿剤によって排尿を促すなど対症療法を行います。利尿剤があまり効果がない場合は腹部を針で刺して腹水をとる等します。
入院安静や利尿剤の適宜使用で改善することもありますが、多くの固形癌の腹水は単に抜いただけでは、3~4日で再貯留し、何度も繰り返します。
腹水のコントロールは患者さんのQOL(クオリティー オブ ライフ、生活の質)や寿命に大きく影響する大事な課題です。
腹水を抜いたあとで、ピシバ二ールや抗癌剤などを腹腔内に投与し、腹水が再度たまらないように腹膜癒着療法(ふくまくゆちゃくりょうほう)を試みる病院もあります。
しかし、腹水は血液と同様の栄養を含んでいます。もし腹水を2,000cc抜いたとすれば、栄養価の代表のアルブミンは80gくらい喪失し、栄養失調を引き起こしかねません。
そこで、アルブミンの点滴で補うとか凍結血漿(とうけつけっしょう)で補うと患者さんのQOLは保たれます。
しかしほとんどの病院ではこれらの点滴は保険診療で認められていないために行いません。

癌性腹膜炎で、腹部が太鼓のように膨張する病症を漢方では、鼓腸(こちょう)といいます。「鼓」は「つづみ」です。鼓腸の原因としては、癌性腹膜炎の他、肝硬変、低蛋白血症性腹水、結核性腹膜炎、住血吸虫症などがあります。

癌性腹膜炎による腹水に良く使われる漢方処方(薬方)には、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)と五苓散(ごれいさん)の合方(ごうほう、がっぽう)、補中治湿湯(ほちゅうじしつとう、ほちゅうぢしつとう)、補気健中湯(ほきけんちゅとうと)、分消湯(ぶんしょうとう)などがあります。
分消湯の加減方に、分消湯血鼓加減(ぶんしょうとうけっこかげん)、別名 血分消(けつぶんしょう)というものがあります。分消湯から、朮と茯苓を去り、当帰と芍薬と紅花と牡丹皮を加えたもので、血絲縷(けっしろう)、すなわち、肝硬変などで、血管が浮きでている時に用います。わざわざ駆水作用のある朮と茯苓を去る所が、薬方(処方)構成の奥深さを感じます。
分消湯は、平胃散(へいいさん)四苓湯(しれいとう)(五苓散(ごれいさん)から桂枝(けいし)を除いたもの)に、枳実(きじつ)、香附子(こうぶし)、大腹皮(だいふくひ)、縮砂(しゅくしゃ)、木香(もっこう)、燈心草(とうしんそう)を加えたものです。

分消湯(ぶんしょうとう)
〔出典〕万病回春
〔処方〕蒼朮、白朮、茯苓 各3.0 陳皮、厚朴、香附子、猪苓、沢瀉 各2.0 枳実、大腹皮、砂仁、木香、燈心草、乾生姜 各1.0(腎炎による浮腫には生姜を去るがよい)
〔目標〕この方は気(ガス)と水をめぐらし去る薬を組み合わせたもので、皷脹(こちょう)と腹水、全身浮腫にも用いられる。即ち皷脹や浮腫や腹水があって、心下部が堅く緊張し、小便が黄色で、大便は秘結の傾向がある。浮腫には勢いがあって、圧迫した凹みがすぐに元に戻りやすい。食後お腹が張って苦しく、噫気、呑酸などが起こる。浮腫を圧して陥んで下に戻らないのを虚腫というが、一見虚腫にみえて実腫があるから、脈状その他を参照して鑑別する必要がある。
〔かんどころ〕食事を一杯食べても三杯も四杯も食べたように、腹が苦しくなるという。そして皷脹、腹水、浮腫があり、心下痞硬し、小便が少なく、大便秘結し、腫れに勢いがあって、脈沈実のものに用いる。
〔応用〕滲出性腹膜炎・腎炎・ネフローゼ・腫水・皷脹・肝硬変による腹水などに用いられる。
〔附記〕本方の中の枳実を枳殻に代えたものを実脾飲という。分消湯は皷脹を主とし、実脾飲は腹水を主とする。やや虚して停水が強い。
〔治験〕輸胆管潰瘍兼肝臓肥大
 57才の男子、体格は長大、栄養もそれほど衰えていない。顔色は特有で黒褐色、煤を塗ったようである。酒を好み、昨年より黄疸を発し、腹水著明となり、入院して精密検査の結果、前記の病名をつけられた。
 1ヶ月半ばかり入院治療をうけたが、これ以上腹水は去らないから退院するがよいといわれて自宅療養をしていた。脈状に大した変わりはなく、舌白苔少し、全身皮膚は恰も魚の薫製のように黄褐色である。腹部膨満して波動著明、腹囲は84糎で、肝二横指触れる。体動事呼吸困難と心動悸を訴える。食欲と便通は普通、尿は7回で合計700位、食事をすると心下部がとても苦しいと訴える。分消湯に小柴胡湯を合方して与えたところ、尿量は増加し、腹水も漸次減少し、皮膚の黄褐色も消退し、服薬2ヶ月で殆ど治癒した。矢数道明
『漢方精撰百八方』p178 より引用


補気健中湯(ほきけんちゅうとう)
〔出典〕済生方
〔処方〕茯苓5.0 白朮4.0 陳皮、蒼朮、人参、沢瀉、麦門冬 各3.0 黄芩、厚朴 各2.0
〔目標〕この方は済生方の皷脹門に「皷脹を治す。元気、脾胃、虚損、宜しく中を補い、湿を行らし、小便を利すべし。切に下すべからず」とある。
 実腫のときは柴苓湯・分消湯五苓湯木防已湯などを用いるが、それらの適応時期を過ぎ、虚証となり、元気衰えたものを目標とする。浮腫は力なく、軟弱で、圧迫による陥没がなかなか元に戻らない。
〔かんどころ〕虚腫に属するが、附子を用いるほどにはならない。胃腸の弱ったものによい。
〔応用〕皷脹・腹水・浮腫の虚証に属するものによい。肝硬変症・慢性腹膜炎・慢性腎炎・ネフローゼ・心臓弁膜症による浮腫などに応用される。
〔附記〕「医林集要」の補中治湿湯(ほちゅうぢしつとう)は、本方より沢瀉を去り、当帰、木通、升麻を加えたものである。虚証の腹水、皷脹を治す。
 人参、白朮 各4.0 蒼朮、茯苓、陳皮、麦門冬、当帰、木通 各3.0 黄芩、厚朴 各2.0 升麻0.3
〔治験〕肝硬変症(肝臓癌の疑い)
 66才の老人、黄疸と腹水で胃腸病院に入院し、肝硬変症といわれた。腹水はますます増加し、いろいろ検査の結果、肝臓癌の疑いが濃くなった。腹水を4回も穿刺したが、衰弱と腹水は加わるばかりで、意識混濁し、大小便失禁、熱が出て、遂に不治といわれて自宅に引き取った。そして家族は最後の看病をするようにいわれたという。
 退院後3日目に往診したが、昏睡の状態でうわごとをいっていた。腹は太鼓のようで、穿刺の跡から腹水が泉のように流れ出して、布団を濡らしている。胸部以下は浮腫がひどくて、褥瘡が大きく、水死人をみるようであった。両便共に失禁していて、体温は38度5分あった。
 私も、もはや手の施す術なきことを告げたが、諦めのために薬を乞うというので、補中治湿湯を与えた。すると不思議にも3日目から尿快通し、意識明瞭となり、食欲が出て、1ヶ月後には床の上に座るようになった。そして2ヶ月後には殆ど旧に復し、大体3ヶ月後には業務に就くことができた。以後奇跡的に健康体となり、8年間元気で働いていたが、脳溢血で難の苦痛もなく亡くなったという。
『漢方精撰百八方』p182 より引用

補中治湿湯に関しては、本来は、白朮と蒼朮と両方を入れた方が良いようですが、一般用医薬品としては朮としか書かれていません。
また、補中治湿湯の「効能又は効果」としては、「胃腸が弱くて腹部膨満感があるもの」となっていて、当然ながら腹水の記述はありません。
また、210処方の中に入ってはいるのですが、実際に製造しているメーカーは無いようです。
薬局製剤の194処方には入っていますので、生薬(しょうやく)を扱っている漢方薬局であれば、入手可能です。

分消湯と補気健中湯については、下記サイトもご参照下さい。
http://kenko-hiro.blogspot.com/2008/12/blog-post_08.html

五苓散については、慈温堂遠田医院の雨宮先生が、
三倍量を処方して、尿量が増え腹水は減少した症例が公開されています。
他にも、五苓散を多目に服用することをe-mailにてすすめた所、
腹水が軽減したとの報告も数人の方から受け取っているそうです。

http://www.jiondo.com/06/Ekzemploj/Ascito/jascito.html

(旧)リンク切れ
http://www.jiondo.com/topics_archive/200201.html



村田漢方堂の村田先生は、「扶正去邪(ふせいきょじゃ)」
(体力をつけながら、同時に悪いもの(この場合は腹水)を除去する)という観点から、
五苓散には、補中益気湯を合方することを勧めていらっしゃいます。
http://murata-kanpo.seesaa.net/article/14479534.html


癌性腹膜炎によるものではなく、肝硬変による腹水ですが、
細野史朗先生は、
五苓散加商陸附子(ごれいさん か しょうりく ぶし)が、
妊娠十ヶ月かと思われるくらい大きくなった腹水に効いた例をお話しされています。
商陸(しょうりく)には、利尿作用が、附子(ぶし)には血行促進作用があります。
出典:『漢方処方の方証吟味』
その他、腹水に、
五苓散加茵蔯梔子、柴苓湯加茵蔯梔子 なども効果がある旨を書かれています。

なお、商陸(しょうりく)は、ヤマゴボウ科 Phytolaccaceae のヤマゴボウ Phytolacca esculenta VAN HOUTT、同属の P.acinosa ROXB. などの根を用いますが、
「ヤマゴボウ」と呼ばれるものには、山菜として「山ゴボウ」と称される、キク科モリアザミオニアザミオヤマボクチなどのアザミ類やヤマボクチの根がありますので、注意して下さい。
食薬区分では、ヤマゴボウ(Phytolacca esculenta)の根は「医」とされ、
ヤマゴボウ(Cirsium dipsacolepis)の根は「非医」とされています。


癌性腹膜炎による腹水には、民間療法では、小豆(あずき)と鯉(こい)を一緒に煮て飲みます。
尿の出が非常に良いようです。
なお、小豆は、塩と一緒に使う必要があります。
現代医学的な面から考えると、尿を出すのに塩を使うのは逆効果のように思えるのですが、
和方(和法)では、小豆に塩を使うのが本来の使用方法です。
ですので、塩を用いる赤飯は正しい用い方ですが、砂糖を加えた餡(あん)には、
小豆本来の効果は認められないと言えます。
餡にもポリフェノールやサポニン等は含まれていますので、
それなりの健康効果はあるとは思いますが……

赤小豆(アズキ)
 赤小豆(せきしょうず)20~30gを塩を入れた水600ccで、半量になるまで煎じ、これを一日量として
数回に分けて煎じ液を飲み、煮た豆を食べる。
 

アズキに関する注意
a.砂糖は不可
  煮たり煎じたりするとき、砂糖を入れると効果がなくなり、
  塩を入れると効果が強くなります。
b.実と枝・葉とは反対の作用
  枝や葉もアズキという植物には違いありませんが、
  逆に尿を止める作用があり、
  夜尿症や尿意過多、尿失禁などに用いられます。
  必ず豆を使って下さい。

鯉を入手するのが難しい時は、
上記の赤小豆と塩だけでもそれなりの効果はあるそうです。
鯉と一緒に煮る方が効果は更に高くなるとのことです。

鯉と小豆の食べ方をネットで検索しましたが、
味付けはしないもの、酢を使うもの、塩を使うものと
色々とあるようです。
私が聞いているのは、先の小豆と塩の例に、鯉をプラスするだけです。
量もだいたいで、
 赤小豆  一つかみ、
 塩     一つまみ、
 鯉     一匹
くらいで聞いています。


鯉と小豆の煮き方(1)
  腹水がたまった時・・・利尿作用・・・
  材料
  ・小豆   300g
  ・コイ   中くらい
  作り方
  まず小豆300gを水に2時間つけておき、弱火で1時間煮く。
  中くらいのコイを3枚におろして、その身を適当に切って小豆を煮ている中に
入れ、さらに1時間30分煮く。
味付けは何もしないこと、食事の前に、子供茶碗に1杯ずつ
  1日3回食べる。1回の分量で3日間ぐらいは食べられる。

鯉と小豆の煮き方(2)
  小豆は≪赤小豆≫と言われ利尿や排膿作用があり、浮腫や黄疸に使用されます。
  漢方処方でも≪赤小豆鯉魚湯≫という名前で、
  赤小豆約100gと鯉500gを酢と水を半量ずつまぜて、一時間ほど煎じて、
  まず鯉を食べてからスープを飲みます。産婦の乳汁を促すことができたり、
  肝硬変の腹水には効果があるようです。

鯉と小豆の煮き方(3)
  ネフローゼ、肝臓ガン、肝硬変の腹水には鯉小豆をお奬めします。
  小豆2カップ、鯉のあらい(頭、骨、皮を取り除く)の半身を
  塩を入れずに煮た物を1日量として食す。



尿の出を良くする民間薬としてはこの他、山ゴボウ、キササゲ、ビワ、キンジ草、ウワウルシ(代用コケモモ)、ウツボグサ(夏枯草(かごそう))、トウモロコシの毛(南蛮毛(なんばんもう))、ニワトコ(接骨木(せっこつぼく))、アケビ(木通(もくつう)、スイカなどもあります。


癌治療に関しては、下記のサイトもご参照下さい。
http://kenko-hiro.blogspot.com/2008/11/blog-post_28.html

2008年11月25日火曜日

健康に重要なミネラルとその補給

●マルチミネラル multimineral
 人間の体は、約60兆個という膨大な数の細胞からできています。これらの細胞は炭化物、タンパク質、脂肪などいくつかの栄養素が集まってできており、これらの栄養素構成している最小の物質を元素といいます。自然界ではこれまで約100個の元素が見つっていますが、これらの元素のうち、人間の体の約96%は酸素、炭素、水素、窒素のつの元素からなっています。残りの4%は上記4つ以外の元素からできていますが、こ4%を総称してミネラルと呼んでいます。無機質、無機塩類、灰分ともいいます。わず体内の4%程度のミネラルですが、その内容は数多くの種類の元素からなっています。ネラルはその体内量が比較的多い主要ミネラル(カルシウム、リン、ナトリウム、カリム、マグネシウムなど)と、そうでない微量ミネラル(鉄、亜鉛、クロムなど)に分けらます。ミネラルのうち、主要ミネラルが重量としては9割以上を占めますが、微量ミネルは量こそ少ないものの、重要性が低いわけではありません。
 ミネラルはビタミン同様、食べ物として体の外から摂取しなくてはならない栄養素でり、微量ながら体にとってなくてはならない働きをします。その仕事は酵素が体内で円に働くための手助け、筋肉や神経の機能の維持といったビタミンと似たような役割を持ほか、骨や歯をつくる直接的な材料にもなっています。また、ビタミンとの共同作業にり、さまざまな所で生体の維持や成長にも関与しています。

 これらのミネラルは、、一部(ナトリウムやリン等)を除き、不足気味であるといわれいます。
 その原因として、まず、日本は火山灰土壌で欧米に比べもともとミネラル分が少なく野菜や飲料水からのミネラルの摂取はただでさえ少ないとされていることがあげられす。
 次に、塩の問題があります。
 現在、一般に販売されているJT(旧専売公社)の食塩は、イオン交換膜を用いる方法得られた、ほぼ純粋な塩化ナトリウム(NaCl)で、他のミネラル分をほとんど含みまん。しかし、本来の塩(天然塩)は、塩化ナトリウムを主成分とはしていますが、他の多の種類のミネラルも含有しており、ミネラルのバランスが良いと言われています。このうに、使用する塩が変わったために、ナトリウムの過剰摂取がおこり、他のミネラルが足するという状態になっています。
 もう一つの原因として、農産物の問題があります。昔の野菜に比べて味や匂いが弱いは、気のせいではありません。以前の農業は、有機肥料を使っていましたので、ミネラもある程度は循環していました。しかし、現代は化学肥料を使っており、植物の成長にかせないリン(P)、窒素(N)、カリ(K)を主成分(ただし、窒素はミネラルではない)とて、他の成分はあまり含まれていません(一部の例外を除く)。 このため、農作物の見目は大きくなるのですが、中味は乏しいと言わざるを得ません。また、野菜に季節感がくなったのは、路地栽培が減り、ハウス栽培が増えているせいですが、これも野菜の栄が不足している原因です。
 また、農産物に関しては、更に必要以上に精製(皮や胚芽を取り除くこと)しているこも問題です。例えば、米は、ぬかの部分に多くのミネラルが含まれていますが、現代日人の多くは、白米を食べていますので、一番ミネラルの多い部分を捨てていることになます。

 このように、ミネラルが不足している現代は、通常の食事ではまかないきれないので意識してミネラルをバランス良く取る必要があります。


『超ビタミンミネラルで病気を撃退する』
・カルシウム
 骨や歯を形成する主要材料となる。また、血清カルシウムとなって、血液のアルカリを保持する。不足すると、骨組成に支障が出る。特に血清カルシウム・イオンの量が不すると、それを補うため骨や歯その他の身体組織から溶かして用いるが、これを「カルウム脱解」といい、単に骨などを弱らせるだけでなく、他の病いをも招き寄せてしまうというのは、不足分補正分の何十倍も脱解されるので、余剰分は動脈硬化、筋肉細胞の化、腎臓結石の原因となり、生体の硬化、老化、病化の促進を招くからだ。カルシウム現代日本人にとって、最も不足しがちなミネラルであり、一日1gとっていくようにしい。

・マグネシウム
 マグネシウムはカルシウムに対して二対一の比で拮抗し、その比のとき両者の吸収はも良くなって、先のカルシウムの脱解を防ぐ。不足すると神経が興奮し、ふるえや筋肉攣の原因となる。また心疾患に関連していて、不足が不整脈の要因になる。今やカルシムよりも日本人に不足しているみねらるだ。

・カリウム
 体内でナトリウムと拮抗するミネラルで、不足すると体内にナトリウムを貯め込むこになる。この場合カリウム摂取量を増やすとナトリウムを排除できる。カリウムは現代が平均して不足させているミネラルであり、さらに、激しいストレスや激しい運動での汗、下痢などで、簡単に消失してしまう。常に補充を心がけることが肝要だ。

・鉄
 赤血球形成に不可欠。また、最近注目されるようになった活性酸素を除去する酵素カラーゼの中核となっており、鉄不足は同酵素の欠乏につながる。鉄不足の人は胃ガンにりやすいが、現代日本人は平均して鉄不足に陥っている。その主要因は鉄製の鍋釜、鉄から、アルミ鍋、アルミ食器中心になってきたことによる。

・亜鉛
 DNAやRNAなどの核酸やタンパク質の合成に関与している。ビタミンAを活性化せ、免疫能力の強化向上に寄与する。男性の精子生産を増強して性力を強化するほか、性の性機能も強化される。また、各種酵素の構成中核となっている。これも現代人に不のミネラルの一つである。

・クロム
 今日、精白穀類(白米、白麺、白パン)、白砂糖、加工食品などの精製加工食品を常食るようになったために、クロムをほとんどの人が欠乏させている。未精白の部分にしかロムはないからだ。クロムはインスリンを活性化さて糖代謝を正常・円滑にするが、単インスリンのみあっても活性化しない。それゆえクロム不足では糖分がエネルギーにスーズに転換せず、人はエネルギー不足で常時疲労していることになる。糖尿病者はクロ欠乏に陥っている。

・セレン(セレニウム)
 1957年に有益微量元素であることが判明。強力な抗酸化ミネラルである。抗酸化力天然ビタミンEに比べ493倍も強い。セレンは肝臓でつくられるグルタチオン過酸化酵の構成因子として不可欠だ。同酵素はカタラーゼと並んで強力な活性酸素除去力をもっいて細胞の酸化防止、さらには対酸化還元力を有している。今日、栄養生化学や生物物学の発達により細胞破壊の究極的元凶がフリーラジカルであり活性酸素であることが解されてきたが、セレンはこれを阻止し組織を還元する最重要ミネラルでなのだ。抗・制ン作用が強く、老化防止力もある。心疾患にも強力な効能を示す。

・ゲルマニウム
 ゲルマニウムは必須ミネラルではないが、体内酸素の消耗を未然に防止し、結果とし生体の酸素量を豊かにする。すべての疾患は、せんじつめれば酸素欠乏に帰する。逆をえば、酸素の十分な補給によりすべての疾病を治癒可能にするといってもいいのだ。各ガンや難病・奇病、重症心身障害、ぼけその他、一見不可能とも思える病に卓効を現わす。

『栄養補助食品の正しい採り方・選び方』
・カルシウム
生理作用
 骨や歯の発達と強度を維持し、血液の正常な凝固作用、筋肉の働き、神経の伝達、心の鼓動の調節に必要です。
影響する器官
 血液、骨、歯、心臓、皮膚、軟組織
欠乏症
 手・足のマヒ、筋肉の痙攣、水腫、心臓の動悸、不眠症、骨粗鬆症、歯周病。
薬理効果
 関節炎、リウマチ、背痛、足の痙攣、不眠症、月経痛、神経過敏症、肥満。

・マグネシウム
生理作用
 マグネシウムは骨や軟組織、体液、細胞胞内に含まれ、炭水化物、脂質、タンパク質カルシウム、リン、カリウムなどの代謝の触媒の役をします。カルシウムと共に神経筋作る働きと、体内の酸とアルカリのバランスも調整します。骨の成長を助けたり、心臓はじめとする筋肉や、神経の正しい働きにも必要です。
影響する器官
 動脈、骨、心臓、神経、歯。
欠乏症
 筋肉痛、情緒不安定、低血圧、低体温、不眠症、神経過敏症。
薬理効果
 うつ病、高コレステロール、腎臓結石、前立腺障害、胃酸過多症、神経過敏症

・カリウム
生理作用
 健康な神経組織と心臓の働きのために大切な働きをします。また正常な成長と神経の激を筋肉に伝え、体液のアルカリ度を保ち、ブドウ糖を肝臓に貯蔵するためのグルコーへの変換を助けます。細胞内での酵素の働きを促進し、血液中のアミノ酸から筋肉タンク質を合成します。
影響する器官 
 血液、心臓、腎臓、筋肉、神経、皮膚
欠乏症
 血圧の低下、喉の乾き、便秘、不眠症、筋肉の衰え、呼吸器の障害、不整脈

・鉄
生理作用
 タンパク質、銅と一緒になってヘモグロビンを作ります。ヘモグロビンは、赤血球の部として、肺から必要な酸素を各組織に送ります。鉄は血液の質を高め、ストレスや病に対する抵抗力を強くします。また筋肉の収縮、タンパク質の代謝に重要な役をします。影響する器官
 血液、骨、爪、皮膚、歯
欠乏症
 呼吸困難、爪の異常、貧血、便秘、舌の腫れ
薬理効果
 貧血、大腸炎、月経異常、消化不良、アルコール中毒

・亜鉛
生理作用
 ビタミン類、特にビタミンB群の正常な吸収と働きに必要です。消化や代謝のために要な酵素の構成成分であり、アルコールを分解する酵素の成分でもあります。またインリンの成分の一つでもあり、細胞内でいろいろなタンパク質を合成するための核酸の合にも必要です。生殖器官、前立腺の発達や働きにも必要です。
影響する器官
 血液、心臓、前立腺
欠乏症
 学習能力の低下、水腫、疲労、高コレステロール、食欲減退、血液の循環不良、けが回復の遅れ、爪の白い斑点
薬理効果
 狭心症、動脈硬化、肝炎、高コレステロール、前立腺障害、学習能力の低下

・銅
生理作用
 鉄の吸収を助け、ヘモグロビンや赤血球の生成に関係します。またいろいろな酵素にまれて、体内の組織を分解したり構築します。神経細胞を保護するリン脂質の合成にも要で、ビタミンCを助けて伸縮性を持った筋肉繊維を作ります。健康な骨を作るために必要です。
影響する器官
 血液、骨、循環器システム、髪の毛、皮膚
欠乏症状
 うつ病、下痢、骨の軟化、骨粗鬆症、呼吸の異常
薬理効果
 動脈硬化、糖尿病、低血糖症

・セレニウム(セレン)
生理作用
 大切な抗酸化物質で、ビタミンEと一緒の時にその働きが強くなります。フリーラジルの発生を防ぐことにより、免疫組織を守り、細胞の酸化による老化や組織の硬化を防ます。ビタミンEとの相乗作用により抗体を作り、心臓の健康を守ります。
影響する器官
 免疫組織、すい臓、目、組織の伸縮性
欠乏症状
 運動失調症(筋肉の連帯ができない)、目まい、耳鳴り、難聴
薬理効果
 糖尿病、リウマチ性関節炎、喘息、アレルギー、疲労、神経過敏症

・ヨード(よう素)
生理作用
 ヨードは腸から吸収されやすく、血液によって甲状腺に運ばれます。余分な脂肪を燃させ、また心身の発達に必要です。甲状腺の健康を保つためにも大切で、甲状腺腫を防ます。子供のヨード不足は、知能の遅れを引き起こします。また、最近の研究によるとヨードの不足が乳がんと関係があると言われています。
影響する器官
 甲状腺、甲状腺ホルモン
欠乏症
 甲状腺機能低下、甲状腺腫、動脈硬化、肥満、心臓の動悸、子供の心身の発育不全
薬理効果
 甲状腺腫、動脈硬化症、脂質の代謝不良、子供のクレチン病(心身の発育不全)


・サンゴ草 正式名アッケシソウ(厚岸草) Salicornia europaea L.
 ユーラシアの寒帯に広く分布するアカザの一年生海岸植物。
 芽立ちは鮮緑色だが,秋には茎が赤く色く性質があり、姿かたちが海のサンゴに似いることから、別名をサンゴ草という。河などの塩分の多い泥地に大きな群落をつり、真っ赤に色づいた群落は美しく人目をく。茎は高さ10~35cm。よく分枝し,枝細長い棒形で多肉質である。葉は著しく退しており、対生する1対の葉が高さ0.6mm度の膜状の筒に変形している。筒状の葉が形の茎に並ぶ様子は甲殻類の脚の関節を思せ,イギリスでは crab‐grass の名がある花は秋に筒状の葉の腋(えき)に3個ずつつが、小さく目立たない。花被は合着し、中果実を包みこむ。日本では北海道のほか、戸内海沿岸の塩田に生育地がある。アッケソウ属は北アメリカまで分布する。ヨーロパではホウレンソウのように野菜として,たピクルスの材料にも使う。また古くは焼いたアルカリ性の灰をガラス製造に用いたのでglasswort の英名もある。  

 『本草綱目』という古代中国の薬物の書物(本草書)には、鹹草(かんそう)として記載れています。ちなみに、鹹とは、塩からいという意味です。
 江戸時代の貝原益軒も『大和本草』に、鹹草、三枝(さえぐさ)、塩草、神草、福草とし、不老長寿のめでたい草と呼ばれたと記されています。
 三枝という名前は、葉の先端が三つに分かれることからきていて、三枝姓のルーツにっていると言われています。

・天然にがり
 海水を濃縮して塩を採取した残りの比重1.3程度の粘稠な溶液のことをにがりといいす。豆腐の凝固剤として古くから使用されてきました。このにがりを乾燥させ、粉末とたものを使用しています。主成分は塩化マグネシウムで、独特な刺激のある苦みを有しす。

・カキ殻末
 カキ殻は、海に生息するカキの貝殻で、漢方では牡蠣(ボレイ)と呼ばれ、精神安定や強壮に用いられています。
 主成分は炭酸カルシウム(80~95%)で、少量のリン酸カルシウム、微量のマグネシム塩、アルミニウム塩、酸化鉄などを含みます。



参考資料1 厚生省の定めた摂取上限量/日
 亜鉛 50 mg
 クロム(Ⅲ) 0.4mg
 セレン 0.2mg
 銅 9 mg
 フッ素 4 mg
 マンガン 10 mg
 モリブデン 0.3 mg
 ヨウ素 1 mg
 (カルシウム、鉄、マグネシウムについては、特に制限なし)

参考資料2
主要ミネラル体重60kgの人1日所用量 RDA ODAカルシウム(Ca) 1000g 600mg 1200mg 800~1500mgリン(P) 570g 1200mg 800~1500mgカリウム(K) 130g 2000mg 99mgイオウ(S) 96g塩素(Cl) 73gナトリウム(Na) 54gマグネシウム(Mg) 21g 350mg  400~700mg微量ミネラル鉄(Fe) 3.9g 10mg 10mg 10~30mgフッ素(F) 2.2gケイ素(Si) 2.0g亜鉛(Zn) 1.7g 15mg 15~35mg銅(Cu) 0.069g 1.5~3mg 2~3mgホウ素(B) 0.041gバナジウム(V) 0.015gヒ素(As) 0.015gマンガン(Mn) 0.011g 2~5mg 2~5mgセレン(Se) 0.011g 70mcg  100~200mcgヨード(I) 0.010g 150mcg  250~350mcgニッケル(Ni) 0.009gモリブデン(Mo) 0.008g 75~250mcg 250~1000mcgスズ(Sn) 0.005gクロム(Cr) 0.0017g 50~200mc 100~200mcgコバルト(Co) 0.0013g
RDA アメリカの勧告摂取量
ODA アメリカの理想摂取量
リンは、加工食品に多く含まれているので、特に摂取する必要はない。むしろ、取りすが問題となる。
ナトリウムは、塩から取れるので、特に意識して摂取する必要はない。むしろ、取りすが問題となる。
塩素も塩からとれるので、特に摂取する必要はない。
イオウは、含硫アミノ酸としてタンパク質から摂取できるので、特に摂取する必要はない。コバルトは、ビタミンB12の構成物質としての働きが主であるので、ビタミンB12がれば、特に摂取する必要はない。ビタミンB12の不足は普通の食生活ではほとんどない。
参考資料3
栄養素 NOAEL LOAEL カルシウム 1500mg 2500mg以上 リン 1500mg 2500mg以上 マグネシウム 700mg 不確定 クロム(Ⅲ) 1000mcg 不確定 銅 9mg 不確定 ヨウ素 1000mcg 不確定 鉄 65mg 100mg マンガン 10mg 不確定 モリブデン 350mcg 不確定 セレン 200mcg 910mcg 亜鉛 30mg 60mg
NOAEL(No Observed Adverse Effect Level)
副作用非発現量のこと。これは、人体において副作用が全く
認められない最高摂取量を指す。NOAELを使用する時は、
何ら安全要因を検討する必要はない。

LOAEL(Lowest Observed Adverse Effect Level)
最低副作用発現量のこと。長期間の摂取で、ときに副作用が
現れる最低摂取量を表す。LOAELを使用する時の安全量を
算出するためには、安全要因を検討して摂取量を減らし、
調整する必要がある。

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