健康情報: 二陳湯(にちんとう) の 効能・効果 と 副作用

2013年10月3日木曜日

二陳湯(にちんとう) の 効能・効果 と 副作用

臨床応用 漢方處方解説 矢数道明著 創元社刊
109 二陳湯(にちんとう) 〔和剤局方〕
  半夏・茯苓 各五・〇 陳皮四・〇 生姜三・〇(干生姜一・〇) 甘草一・〇

 嘔吐に用いるときは冷服するがよい。この方に用いる陳皮と半夏は陳久なるを尊ぶということより二陳湯という。

応用〕 胃内停水によって嘔吐・悪心を発するものに用いる。その他痰飲による諸病に応用される。
 本方は主として嘔吐・悪心・眩暈・頭痛・悪阻・気鬱・食傷・二日酔い・脳溢血等に用いられ、またそれぞれの処方に加味される。

目標〕 心下の水気・胃内停水によって、熱を生じ、嘔吐・悪心、あるいは眩暈・心動悸・心下部不快感等を訴えるものである。
 この方は単独に用いることは少なく、本方を加味し、あるいは本方を基本として痰飲を治す処方が多く組み立てられている。痰の色青く光あるは風痰、清冷なるは寒痰、白色なるは湿痰、黄色なるは熱痰とされている。大体痰は湿によって生ずるので、二陳湯が基本となり、湿を乾かすのである。

〔方解〕 本方は金匱の小半夏加茯苓湯に陳皮と甘草を加えたものである。半夏は君薬で温を燥かし、痰を利し、茯苓は佐薬で水を行(めぐ)らし、痰を消す。陳皮は臣薬で気を順らし、痰を下す。甘草は使薬で、脾胃を補う作用がある。方意弁義には、「方中陳皮を君とす。痰はすべて湿物にして中焦にあつまる。脾胃に湿塞る時は中焦の気めぐらず痰となる。 故に陳皮を以てひらきめぐらして痰を去る。半夏は日の物を乾かすが如し、茯苓はたまりたる水を溝を作りて抜き去りて乾かすが如し。陳皮にて脾胃の湿を去り、半夏にて燥かし、茯苓にて抜き去るときは、脾胃乾きすぎる故に甘草を用いて津液をたもたすなり」とある。

加減方
 二陳湯悪阻加減
  半夏・茯苓 各五・〇 陳皮四・〇 甘草・生姜(干)各一・〇 砂仁・連翹・黄芩各二・〇
 悪阻に用いて胃熱をさまして胃中の痰飲を去り、嘔吐を止めること妙である。

 五虎二陳湯
  半夏・茯苓・陳皮各三・〇 麻黄・杏仁各四・〇 石膏八・〇 甘草・桑白皮各二・〇
 小児喘息にはこの方を用いる。のみやすくして効果もある。心下胸中の停飲を去る、喘急甚だしく、自汗口渇あるものである。

主治
 和剤局方(痰飲門)に、「痰飲患(ウレイ)ヲナシ、或ハ嘔吐悪心、或ハ頭眩、心悸、或ハ中脘快(ココロヨカ)ラズ、或ハ発シテ寒熱ヲナシ、或ハ生冷ヲ食スルニ因ツテ、脾胃和セザルヲ治ス」とある。
 牛山方考には、「此方ハ諸痰飲ヲ治スルノ総司ナリ。諸方書ニ此ノ変方多シ。枳縮二陳湯、諸導
痰湯、順気和中ノ類枚挙スベカラズ。痰ハ血ノ化シタル瘀濁ニテ、或ハ痞ヲナシ、或ハ痛ミヲナシ、或ハ頭痛ヲナシ、或ハ眩暈ヲナシ、或ハ寒熱ヲナシ、或ハ背心一点ニ冷ヲ覚エ、或ハ怪奇ヲ夢ミ、或ハ腹内ヨリ煙ノ如ク気ノ上ルヲ覚エ、或ハ顔面急ニ熱シ、或ハ征中驚悸ヲナシ、其他百般ノ怪症見ハレ、変化キワマリナシ。皆此方ニ加減シテ用ユベシ。
 偖(サ)テ何者ガ痰ヲナスカト其ノ源ヲ究ムルニ、気ヨリ生ズルモノ十ニ七八ナリ。三因方詳カニ論アリ。七情ヨリ発スルヲ内所因トシ、六淫ヨリ生ズルヲ外所因トナス。余之ヲ今日試ルニ、気滞ヲ生ズルニ証極メテ多シ。憂鬱スル人ニ多シ。血ハ気ニ従ツテ行ル。(中略)気行ラザレバ血モマタ行ラズ、瘀滞シテ痰トナル。婦人ノ気滞最モ多シ。斯ノ証ニハ順気ノ加減ヲシテ用ユベシ。余ハ二陳湯ニ香附子、枳殻、ボレイ、木香、白芥子、旋覆花ヲ加エテ百中煎ト名ヅク。気鬱シテ痰ヲ生ジ、肩背強直、心胸嘈囃、心下痞満、或ハ短気心胸刺痛シテ気舒ビズ、或ハ腹中水声有リ、或ハ乾嘔或ハ酸水ヲ吐ス等ノ証ニ用イテ奇効アリ。久シク服スベシ。百般ノ怪症ヲ見ハスハ痰ト蛔虫ナリ。心ヲ用イテ其ノ因ヲ審カニスベシ」とあって、水毒による神経症状で、自律神経症候群をさしているようである。

治例
(一) 妊娠悪阻
 三四歳の婦人。妊娠四ヵ月である。いままで妊娠すること二度。二度ともつわりがひどくて人工流産してしまった。今度はどうしても生ませたいと、家族のものもみ喜な望んでいるので、いのちがけでがんばるつもりであるという。しかし、今度もつわりはひどくて約二ヵ月、ほとんど食事がもたない。吐物に血が混じって出ることもある。すっかり痩せ衰え、顔色は蒼白で、脈も腹も軟弱である。心下部に停水があり、わずかに膨満しているものがある。舌白苔があり、便秘して脱肛する。
 私は小半夏加茯苓湯でもよいと思われたが、心下の停飲と胃熱に対して、二陳湯加味方の方がよいと思い、二陳湯に悪阻加減をして三日分与えた。さかずきに一杯ずつ、徐々に冷服させた。一杯のんで落ちついたら、また一杯のむというようにしたのであるが、初めのうちはむかむかしていたが吐かないですみ、その後だんだん食物がおさまり、三日後にはあの激しい嘔吐がほとんど治った。
(著者治験)

(二)小児喘息(五虎二陳湯)
  五歳の男子。生まれつき弱い子であったが、生まれた翌年の秋に風邪をひいて咳嗽が続き、小児喘息といわれた。平常も咳きこみがあるが、風邪をひくと激しくなる。百日咳のように咳きこんで、激しいときは前こごみになり、赤い顔して汗ばむほど苦しむ。少し口渇がある。栄養は普通、顔色もそれほど悪くはない。便通一回、偏食で食欲はない。
 このような激しい咳きこみで、自汗があり、口渇があるときは麻杏甘石湯の証である。心下に停飲があり、胸にもたれないように二陳湯を加えると、のみよくなってよくおさまる。これにさらに桑白皮を加えて五虎二陳湯と名づけるのである。患者は、この処方一〇日分服用により、喘咳はすっかり治った。そして食欲が出て、おとなしくなった。それ以来、喘息から解放されたばかりでなく、体質が変わったように丈夫になった。
(著者治験、漢方の臨床 一一巻六号)


『漢方処方応用の実際』 山田光胤著 南山堂刊
188. 二陳湯(にちんとう)(和剤局方)
 半夏,茯苓 各 5,0 陳皮 4.0, 甘草 1.0, 生姜 3.0 

〔目標〕 胃内停水による悪心,嘔吐 および 水飲(水毒)による諸症に用いる。
 心下部に振水音をみとめ,悪心,嘔吐,めまい(眩暈),心悸亢進,胃部不快感 などを訴えるものである.
  水飲による症状は千差万別であるが,片頭痛,胸痛,心下痛,脇下痛,下肢腫痛,喘咳,咳嗽,全身倦怠 などが多い.

〔応用〕 胃下垂症,常習頭痛,ノイローゼ,食中毒,二日酔い,脳溢血 など.




一般用漢方製剤承認基準
210 二陳湯
〔成分・分量〕 半夏5-7、茯苓3.5-5、陳皮3.5-4、生姜1-1.5(ヒネショウガを使用する場合2-3)、 甘草1-2

〔用法・用量〕 湯

〔効能・効果〕 体力中等度で、悪心、嘔吐があるものの次の諸症: 悪心、嘔吐、胃部不快感、慢性胃炎、二日酔



『一般用漢方処方の手引き』 厚生省薬務局 監修 薬業時報社 刊
二陳湯(にちんとう)

成分及び分量〕 半夏5~7,茯苓3.5~5,陳皮3.5~4,生姜2~3,甘草1~2


参考文献 生薬名 半夏 茯苓 陳皮 生姜 甘草
診療医典 注1 5 5 4 3 1
処方解説 注2 5 5 4 3 1
   干生姜1
治療の実際 5 5 4 3 1
応用の実際 注3 5 5 4 3 1
要方解説 注4 5 5 4 1.5 1
処方集 注5 7 3.5 3.5 2 2
処方分量集 5 5 4 乾姜1 1



用法及び用量〕 湯

効能又は効果〕 悪心、嘔吐

解説〕 和剤局方:痰飲門
  注1  本方は,胃内停水によって悪心,嘔吐を発するものに用い,その他痰飲(水毒)による諸病に広く応用される。すなわち心下の水気,胃内に停水があって熱を生じ,その水が動いて悪心,嘔吐,あるいは眩暈,心動悸,心下部不快などを訴えるものである。本方は後世方の基本の一つで,本方を基として痰飲を治す処方が多く作られている。
 本方は,小半夏加茯苓湯に陳皮と甘草を加えたもので,半夏は君薬で湿を乾かし,痰を利し,茯苓は佐薬で水をめぐらし,陳皮は臣薬で気を順らし痰を下す。甘草は使薬で脾胃を補うものである。以上の目標をもって,本方は主として嘔吐,悪心,眩暈,頭痛,悪阻,気うつ,食傷,二日酔,脳溢血などに広く応用される。

  注2   嘔吐に用いるときは冷服するがよい。この方に用いる陳皮と半夏は陳久なるなるを尊ぶということより二陳湯という。心下の水気,胃内停水によって,熱を生じ,嘔吐・悪心,あるいは眩暈・心動悸・心下部不快等を訴えるものである。この方は単独にて用いることは少なく,本方を加味し,あるいは本方を基本として
痰飲を治す処方が多く組み立てられている。痰の色青く光あるは風痰,清冷なるは寒痰,白色なるは湿痰,黄色なるは熱痰とされている。大体痰は湿によって生ずるので,二陳皮が基本となり,湿を乾かすのである。
 なお,胃内停水によって嘔吐・悪心を発するものに用感る。その他痰飲による諸病に応用される。本方は主として嘔吐・悪心・眩暈・頭痛・悪阻・気うつ・食傷・二日酔・脳溢血等に用いられ,またそれぞれの処方に加味される。

  注3   胃内停水による悪心,嘔吐および水飲(水毒)による諸症に用いる。心下部に水振音をみとめ,悪心,嘔吐,めまい(眩暈),心悸亢進,胃部不快感などを訴えるものである。水飲による症状は千差万別であるが,片頭痛,胸痛,心下痛,脇下痛,下肢腫痛,喘咳,咳嗽,全身倦怠などが多い。
 なお,胃下垂症,常習頭痛,ノイローゼ,食中毒,二日酔い,脳溢血などにも応用される。

  注4   痰飲患をなし,あるいは嘔吐,あるいは頭眩心悸,あるいは中脘快からず,あるいは発して寒熱をなし,あるいは生冷を食するに因って脾胃和せざるを治す。この方は痰飲を治する聖剤にして,諸の痰を治する薬方皆この方に加減したるもの多し。一切の痰飲化して百病となるを治する妙剤なり。(牛山方考)
 本方に用いる陳皮,半夏二味は共に陳久なるを貴ぶといわれ,よって二陳湯と名づけた。足の太陰(脾経)陽明(胃経)の薬である。諸痰飲を治する総司の剤で,水飲胃に入り,脾胃弱くして中焦の気めぐらず痰となる。稀なれば飲,稠なれば痰という,と。この方の司るものは胃内停水により、嘔吐,悪心,眩暈,心悸亢進,胃部不快感等を現わし,また不定期熱を発し,その他原因不明の怪症を惹起するものを治す。脈は多くは沈弦細である。
 なお、嘔吐,悪心,眩暈,頭痛,悪阻には砂仁,黄芩,連翹各1.5を加えて応用される。

  注5   一切の痰飲,あるいは悪心嘔吐,あるいは頭眩心悸亢進,あるいは胃部のつかえ、消化不良に用いられる。なお,胃病眩暈,頭痛,咳痰にも応用される。



『改訂 一般用漢方処方の手引き』 監修 財因法人日本公定書協会 織集 日本漢方生薬製剤協会

二陳湯(にちんとう)

成分・分量
  半夏5~7,茯苓3.5~5,陳皮3.5~4,生姜2~3,甘草1~2

用法・用量
  湯

効能・効果
 体力中等度で,悪心,嘔吐があるものの次の諸症:悪心,嘔吐,胃部不快感,慢性胃炎,二日酔

                           



原典  太平恵民和剤局方

出典



 解説
 衆方規矩「痰症門」に「一切の痰飲化して百病となるを治す。」と記載されている。痰飲すなわち水毒を治す代表的な処方である。漢方の教えに「怪病は痰を治せ」という言葉があるが,痰飲はいろいろな疾患の原因となっていることが多い。「脾胃は生痰の源」と言われているが,脾胃虚証,あるいは過食などで食物を十分消化できないときに未消化の飲食物から痰(余分な水分)が生じてくると考えられている。この水分が気管支のほうに影響すれば喀痰をふやすことになる。この水分代謝の異常(痰)が原因して病気を発すると頭痛,めまい,肩こり,せき,喀痰,脳血管障害,心筋障害,神経痛,関節痛,浮腫,身重感,悪心,嘔吐,食欲不振その他いろいろの疾患や症状をきたすことが知られている。本方は脾胃が虚弱で痰を生じているいろいろな疾患の基本処方として用いられる。胃腸の機能を良くして痰を消す化痰の剤の代表である。


参考文献 生薬名 半夏 茯苓 陳皮 生姜 甘草
診療医典 注1 5 5 4 3 1
処方解説 注2 5 5 4 3 1
   干生姜1
症治別治療 5 5 4 3 1
応用の実際 注3 5 5 4 3 1
後世要方解説 注4 5 5 4 1.5 1
処方集 注5 7 3.5 3.5 2 2
処方分量集 5 5 4 乾姜1 1



  注1   本方は,胃内停水によって悪心,嘔吐を発するものに用い,その他痰飲(水毒)による諸病に広く応用される。すなわち心下の水気,胃内に停水があって熱を生 じ,その水が動いて悪心,嘔吐,あるいは眩暈,心動悸,心下部不快などを訴えるものである。本方は後世方の基本の一つで,本方を基として痰飲を治す処方が 多く作られている。
 本方は,小半夏加茯苓湯に陳皮と甘草を加えたもので,半夏は君薬で湿を乾かし,痰を利し,茯苓は佐薬で水をめぐらし, 陳皮は臣薬で気を順らし痰を下す。甘草は使薬で脾胃を補うものである。以上の目標をもって,本方は主として嘔吐,悪心,眩暈,頭痛,悪阻,気うつ,食傷, 二日酔,脳溢血などに広く応用される。

  注2    嘔吐に用いるときは冷服するがよい。この方に用いる陳皮と半夏は陳久なるなるを尊ぶということより二陳湯という。心下の水気,胃内停水によって,熱を生 じ,嘔吐・悪心,あるいは眩暈・心動悸・心下部不快等を訴えるものである。この方は単独にて用いることは少なく,本方を加味し,あるいは本方を基本として
痰飲を治す処方が多く組み立てられている。痰の色青く光あるは風痰,清冷なるは寒痰,白色なるは湿痰,黄色なるは熱痰とされている。大体痰は湿によって生ずるので,二陳皮が基本となり,湿を乾かすのである。
 なお,胃内停水によって嘔吐・悪心を発するものに用感る。その他痰飲による諸病に応用される。本方は主として嘔吐・悪心・眩暈・頭痛・悪阻・気うつ・食傷・二日酔・脳溢血等に用いられ,またそれぞれの処方に加味される。

  注3    胃内停水による悪心,嘔吐および水飲(水毒)による諸症に用いる。心下部に水振音をみとめ,悪心,嘔吐,めまい(眩暈),心悸亢進,胃部不快感などを訴 えるものである。水飲による症状は千差万別であるが,片頭痛,胸痛,心下痛,脇下痛,下肢腫痛,喘咳,咳嗽,全身倦怠などが多い。
 なお,胃下垂症,常習頭痛,ノイローゼ,食中毒,二日酔い,脳溢血などにも応用される。

  注4    痰飲患をなし,あるいは嘔吐,あるいは頭眩心悸,あるいは中脘快からず,あるいは発して寒熱をなし,あるいは生冷を食するに因って脾胃和せざるを治す。 この方は痰飲を治する聖剤にして,諸の痰を治する薬方皆この方に加減したるもの多し。一切の痰飲化して百病となるを治する妙剤なり。(牛山方考)
  本方に用いる陳皮,半夏二味は共に陳久なるを貴ぶといわれ,よって二陳湯と名づけた。足の太陰(脾経)陽明(胃経)の薬である。諸痰飲を治する総司の剤 で,水飲胃に入り,脾胃弱くして中焦の気めぐらず痰となる。稀なれば飲,稠なれば痰という,と。この方の司るものは胃内停水により、嘔吐,悪心,眩暈,心 悸亢進,胃部不快感等を現わし,また不定期熱を発し,その他原因不明の怪症を惹起するものを治す。脈は多くは沈弦細である。
 なお、嘔吐,悪心,眩暈,頭痛,悪阻には砂仁,黄芩,連翹各1.5を加えて応用される。

  注5   一切の痰飲,あるいは悪心嘔吐,あるいは頭眩心悸亢進,あるいは胃部のつかえ、消化不良に用いられる。なお,胃病眩暈,頭痛,咳痰にも応用される。






副作用
      本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため、発現頻度は不明である。

重大な副作用

 1. 偽アルドステロン症     低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。

2. ミオパシー     低カリウム血症の結果としてミオパシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣・麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。

高齢者への投与      一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与      妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

小児等への投与      小児等に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない]