健康情報: 四物湯(しもつとう) の 効能・効果 と 副作用

2013年10月30日水曜日

四物湯(しもつとう) の 効能・効果 と 副作用

漢方診療の實際 大塚敬節 矢数道明 清水藤太郎共著 南山堂刊
四物湯(しもつとう)
本方は、婦人病の聖薬とさ れ称され、血行をよくし、貧血を補い、また所謂「婦人の血の道」と称する婦人科的諸疾患に起因する神経症状を鎮静する効能がある。しかし婦人に限らず、男 子にもまた用いられる。本方はよく貧血を治するものであるが、涼血・滋潤の作用があるので、口唇が蒼白となるほど貧血が強度のもの、及び胃腸虚弱にして大 便の泄瀉し易いもの等には用いられない。一般に貧血の症があって皮膚枯燥、脈は沈んで弱く、腹は軟弱で臍上に動悸を触れる者等を目標として用いる。
方中の地黄・当帰は造血・鎮静・滋潤の能があり、芍薬・川芎は欝血を疎通し、血行をよくする。
月経異常・白帯下・子宮出血・産前産後の諸病たとえば血脚気・産後の舌糜爛・産後の痿躄・血の道・中風・皮膚病・諸貧血症等に用いられるが、多くの場合、本方にそれぞれの加減方として応用されることが普通である。
産後の血脚気には、本方に蒼朮・木瓜各三・○、薏苡仁六・○を加える。
産後痿躄には、亀板・石決明各三・○を加える。
小柴胡湯と合方にして産褥熱に用いる。
苓桂朮甘湯と合方にして連珠飲と称し、心臓病で貧血・動悸・浮腫状のある者を目標として用いる。
四君子湯と合方して八珍湯と称し、諸衰弱症に用いる。



漢方精撰百八方
82.〔四物湯〕(しもつとう)
〔出典〕和剤局方

〔処方〕当帰、芍薬、川芎、地黄 各4.0

〔目標〕この方は和剤局方、婦人諸病門に、「営衛を調益し、気血を滋養し、衝任(衝脈、任脈)虚損、月水不調、臍腹絞痛、崩中漏下、血瘕塊硬、発歇疼痛、妊娠宿冷、将理宜を失し、胎動して安からず、血下りて止まず、及び産後虚に乗じ、風寒内に博ち、悪露下らず、結して瘕聚を生じ、小腹堅痛、時に寒熱を作すを治す」とある。
  本方は婦人の聖薬といわれ、婦人の諸疾患に用いられる基本方である。補血、調血、順血、涼血熱、滋潤、鎮静の能があり、患者は貧血、皮膚枯燥の傾向があり、瘀血、月経不調、自律神経失調等の症状がある。
  脈は沈んで弱く、腹は軟弱、任脈臍上の動悸をふれるのを目標とする。

〔かんどころ〕腹全体が軟弱、真綿を掴むようで、しかも瘀血停滞し、任脈上の水分(臍上一寸)の穴に動悸を触れ、自律神経の失調症状を呈するもの。

〔応用〕本方に種々の加減をして用いる。産前産後諸病・産後の脚弱・産後の舌糜燗・産後血脚気・月経異常・不妊症・血の道症・皮膚病(乾燥性)・痿躄・カリエスなどに応用される。

〔附記〕本方を服用して、心下に痞え、食欲衰え、または下痢するものは速やかに他方に転ずべきである。貧血甚だしく、口唇に血色なく、しかも脾胃の弱いものには禁忌である。却って四君子湯、帰脾湯などがよい。「四物湯脚気加減」、産後の血脚気、両脚痿弱、倦怠、浮腫には、木瓜、蒼朮 各3.0  薏苡仁5.0を加える。
 「四物湯加亀板、石結明 各3.0」脊椎カリエス、産後痿躄に用いられる。
「七物降下湯」黄柏2.0 黄耆、釣藤 各3.0 高血圧の虚証で、腎障害などがあって、柴胡剤や大黄剤の用いられないものによい。大塚敬節氏経験方。杜仲3.0を加えて八物降下湯。

〔治験〕産後血の道症  34才の韓国婦人、4年前産後発病、呼吸困難、動悸、肩凝り、腰痛、子宮下脱感、足冷、冷汗流るる如く、全身倦怠感甚だしく、箸を持つのもだるい。顔色が一日に7度も変わり、憂鬱でたまらず、時々足の裏に火がついたように熱く感じるという。脈沈弱、腹軟弱、臍傍に動悸がある。四物湯脚気加減を与えたところ諸症好転し、二ヶ月後には家事一切を弁ずるようになった。
矢数道明



漢方薬の実際知識 東丈夫・村上光太郎著 東洋経済新報社 刊
3 駆瘀血剤
駆瘀血剤は、種々の瘀血症状を呈する人に使われる。瘀血症状 は、実証では便秘とともに現われる場合が多く、瘀血の確認はかんたんで、小腹急結 によっても知ることができるが、虚証ではかなり困難な場合がある。駆瘀血剤は体質改善薬としても用いられるが、服用期間はかなり長くなる傾向がある。
駆瘀血剤の適応疾患は、月経異常、血の道、産前産後の諸病その他の婦人科系疾患、皮下出血、血栓症、動脈硬化症などがある。駆瘀血剤の中で、 抵当湯(ていとうとう)抵当丸は陳旧性の瘀血に用いられる。当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は瘀血の証と水毒の証をかねそなえたものであり、加味逍 遙散はさらに柴胡剤、順気剤の証をかねそなえたものである。

7 四物湯(しもつとう)  (和剤局方)
〔当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう)、地黄(じおう)各四〕
駆 瘀血剤の中で虚証に属するものである。本方は婦人の聖薬といわれ、自律神経失調などの神経症状を呈し、出血によって、また、血液の偏在に よって貧血し、皮膚枯燥、腹部の動悸、発熱、不眠、煩操、冷え症などを目標とする。しかし、口唇が蒼白となるほどの貧血、胃腸の虚弱なものには用いられな い。本方は単独で用いることはまれで、種々の加減や合方が行なわれる。
〔応用〕
駆瘀血であるために、大黄牡丹皮湯や桃核承気湯のところで示したような疾患に、四物湯證を呈するものが多い。

四物湯の加減方、合方
〔四物湯に黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を合方したもの〕
本方は、黄連解毒湯證(後出、瀉心湯類の項参照)に瘀血の症状をかねたもので、諸出血がつづいて貧血状となり、のぼせ、神経の興奮などを呈する。
〔応用〕
つぎに示すような疾患に、温清飲證を呈するものが多い。
一 月経過多、子宮出血、男子の下血、胃や腸の潰瘍による出血その他の諸出血。
一 皮膚掻痒症、湿疹その他の皮膚疾患。
一 そのほか、高血圧症、神経症など。
      冬に悪くなる湿疹(益田総子)
〔当 帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう)、地黄(じおう)、黄連(おうれん)、黄芩(おんごん)、黄柏(おうばく)、梔子 (しし)、連翹(れんぎょう)、防風(ぼうふう)、薄荷(はっか)、荊芥(けいがい)、甘草(かんぞう)、枳殻(きこく)各一・五、柴胡(さいこ)、白芷 (びゃくし)、桔梗(ききょう)各二〕
本方は、温清飲に桔梗、白芷、連翹、荊芥、防風、薄荷、枳殻、甘草を加えたもので、温清飲の作用を表や上焦、特に首から上の部分に作用させ、上焦の炎症(化膿症)を消散させるもので、体質改善薬としても、しばしば用いられる。
〔応用〕
つぎに示すような疾患に、荊芥連翹湯證を呈するものが多い。
一 蓄膿症、鼻炎、衂血、中耳炎、外耳炎その他の耳鼻科疾患。
一 そのほか、面疱、扁桃炎、肺浸潤、肺結核、神経衰弱など。
一貫堂では、温清飲を基本とした加減方である、柴胡清肝散、荊芥連翹湯、竜胆瀉肝湯を解毒症体質に用いる。竜胆瀉肝湯は通常用いられる薛氏の竜胆瀉肝湯とは薬味が異なる。

(3)七物降下湯(しちもつこうかとう)  (大塚敬節)
〔当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう)、地黄(じおう)各四、黄耆(おうぎ)、釣藤(ちょうとう)各三、黄柏(おうばく)二〕
本方は、四物湯に黄柏、黄耆、釣藤を加えたもので、虚証で瘀血によって精神の異常興奮や沈滞を起こすものに用いられ、血圧更新、息切れ、動悸、頭痛などを目標とする。
〔応用〕
つぎに示すような疾患に、七物降下湯證を呈するものが多い。
一 高血圧症、腎性高血圧症、動脈硬化症、慢性腎炎、腎硬化症その他の疾患。
(最低血圧が高いもの)
(疲れ易く、最低血圧の高いもの、尿中に蛋白を証明し、腎硬化症の疑いのあるもの、また腎炎のための高血圧によい)
(虚証の高血圧)
八物降下湯(はちもつこうかとう)
〔七物降下湯に杜仲三を加えたもの〕

(4)八物湯(はちもつとう)
〔四物湯に四君子湯を合方したもの〕
本方は、四物湯證に四君子湯(後出、裏証Ⅰの項参照)證をかねたものであり、八珍湯(はっちんとう)とも呼ばれ、気・血の両方が虚し、しかも裏が虚しているため、胃腸虚弱で元気なく貧血して皮膚枯燥のものに用いられる。
〔応用〕
循環器や消化器の機能が衰えたものに、八物湯證を呈するものが多い。

(5)連珠飲(れんじゅいん) (本朝経験)
〔四物湯に苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を合方したもの〕
本方は、四物湯證に苓桂朮甘湯(後出、駆水剤の項参照)證をかねそなえたもので、出血や貧血などの瘀血症状を呈するとともに、動悸、めまい、顔面浮腫などの水毒症状を呈するものに用いられる。
〔応用〕
つぎに示すような疾患に、連珠飲證を呈するものが多い。
一 諸出血、貧血、血の道、心臓弁膜症など。
〔人参(にんじん)、黄耆(おうぎ)、白朮(びゃくじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、熟地黄(じゅくじおう)、川芎(せんきゅう)、桂枝(けいし)各三、甘草(かんぞう)一〕
本方は、八物湯に表虚のため、黄耆、桂枝を加えたものであり、連珠飲に黄耆、人参を加えたものとしても考えることができる。したがって、四物湯の瘀血、苓桂朮甘湯の水毒、四君子湯の裏虚、黄耆・桂枝の表虚などを含んでいることになる。本方は、気・血・表・裏・内・外すべてが虚しており、疲労を 訴えるもので、発熱、口渇、咽喉痛、食欲不振、めまい、貧血、精神安定、皮膚乾燥、遺精、諸出血などを目標とする。
〔応用〕
つぎに示すような疾患に、十全大補湯證を呈するものが多い。
一 肺結核、骨結核(カリエス)、ルイレキ、痔瘻、脱肛、白血病、神経衰弱、諸出血、皮膚病など。
〔乾地黄(かんじおう)六、当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)各四、川芎(せんきゅう)、甘草(かんぞう)、艾葉(がいよう)、阿膠(あきょう)各三〕
本 方は、四物湯に甘草、艾葉、阿膠を加えたものとして考えることができる。阿膠や艾葉には、止血作用が強いため瘀血によって出血がやまず、貧 血状を呈しているものの止血および清血に用いられる。また、下腹部の知覚麻痺、四肢煩熱、下肢の疼痛などを目標とする。本方の服用によって、出血が強くな り、貧血が高度になったものや下痢するものは、四君子湯その他を考える。
〔応用〕
一 子宮内膜炎、子宮癌、月経過多、流産癖、帯下、産後の出血その他子宮出血を伴う婦人科系疾患。
一 腎臓結石、腎臓結核、血尿その他の泌尿器系疾患。
一 痔出血、肛門出血、腸出血、吐血、喀血、衂血、眼底出血、外傷による内出血、紫斑病その他の各種出血。
一 そのほか、諸貧血症。



《資料》よりよい漢方治療のために 増補改訂版 重要漢方処方解説口訣集』 中日漢方研究会
32.四物湯(しもつとう) 和剤局方

当帰4.0 川芎4.0 芍薬4.0 熟地黄4.0

現代漢方治療の指針〉 薬学の友社
 貧血、冷え症で神経症状を伴い,腹部膨満するも軟弱で便秘の傾向があるもの。
 金匱要略に収載されている芎帰膠艾湯から阿膠,甘草,艾葉,を去ったもので貧血を補い,血行を促進して体を温める作用があって,前記疾患に応用される。したがって本方が対象になるものは,視診上,顔色蒼白,栄養不良で皮ふに潤いがなく内臓も虚弱で,便秘しやすく下腹部が膨満しているが軟弱なものの,これに伴う症候群あるものに応用されている。本方が最も繁用されるのは当帰芍薬散と同様,産前産後の予防薬として投与されているが,実際には他処方と合方して応用する機会が多い。
温清飲> 貧血症の慢性の湿疹でかゆみのひどいもので,神経症状を伴うもの。
連珠飲> 本方と苓桂朮甘湯の合方で,貧血に伴うめまい,心悸亢進,頭痛,上半身の浮腫や,痔出血,子宮出血後の顔面浮腫や心臓衰弱に用いられる。
 <加味逍遙散合四物湯> 貧血,冷え症であるのにかかわらず熱感や,のぼせの傾向があって便秘するもの,また以上の症候群があるものの,慢性に経過する湿疹,ジンマ疹でかゆみを訴え,出血するほどかきたいもの。
<柴胡四物湯> 小柴胡湯と四物湯の合方で,小柴胡湯が適する慢性疾患で疲労,微熱,貧血便秘の症候群症状があり,ヒフがカサカサして潤いのないことが目安となる。貧血,冷え症,月経不順などの点で当帰芍薬散と類似するが,本方には当帰芍薬散に見られる利尿障害がなく,貧血,冷え症,子宮出血などの点で芎帰膠艾湯に似ているが,本方は芎帰膠艾湯証のごとく過多出血というほどではない。本方は悪性貧血に見受けられる口唇部,眼瞼粘膜などが蒼白なものには不適で,人参湯を考慮する。また貧血症であっても胃腸無力症で,時々下痢するものには不適で,それには小建中湯や補中益気湯などを考慮すればよい。


漢方処方応用の実際〉 山田 光胤先生
○婦人に多く用いられ,諸種の出血や貧血の徴候があ改aて皮膚粘燥の傾向があり,瘀血,月経不順,自律神経失調などの症状がある。 薜立斉は肝腎脾血虚による発熱,寒熱往来,あるいは日哺(夕方)発熱,頭目不清,あるいは煩躁,不眠,胸が張り,わき腹が痛むなどをあげている。 (纂方規範)脈は沈んで弱く,腹は軟弱で任脈(正中線)上の水分の経穴(臍上一寸)に動悸をふれる。
○本方は血液の不足,偏在,不調和を治すもので,これを血虚といったり,和田東郭のように肝虚といったりしている。
○浅田宗伯は「本方は血道を滑らかにするもので,たとえていえば,戸障子の開き閉じのきしむものに,上下の溝へ油を塗るようなもので,血を活かして通利するので,一概に血虚を補うものとするのは誤りだ。」といっている。 このことは本方が貧血を治すだけでないことを考えると,面白いたとえである。



漢方診療の実際〉 大塚 矢数,清水 三先生
 本方は婦人病の聖薬とされ,血行をよくし,貧血を補い,また所謂「婦人の血の道」と称する婦人科的諸疾患に起因する神経症状を鎮静する効能がある。しかし婦人に限らず,男子にもまた用いられる。本方はよく貧血を治するものであるが,涼血,滋潤の作用があるので,口唇が蒼白となるほど貧血が強度のもの,及び胃腸虚弱にして大便の泄瀉し易いもの等には用いられない。一般に貧血の症があって皮膚枯燥,脈は沈んで弱く,腹は軟弱で臍上に動悸を触れる者等を目標として用いる。方中の地黄朝:当帰は造血・鎮静・滋潤の能があり,芍薬・川芎は鬱血を疎通し,血行をよくする。月経異常・白帯下・子宮出血,産前産後の諸病たとえば血脚気・産後の舌糜爛・産後の痿躄・庫の道・中風・皮膚病・諸貧血症等に用いられるが,多くの場合,本方にそれぞれの加減方として応用されることが普通である。産後の血脚気には本方に蒼朮,木瓜各3.0,薏苡仁6.0を加える。産後痿躄には亀板・石決明各3.0を加える。小柴胡湯と合方しにして産褥熱に用いる。苓桂朮甘湯と合方にして連珠飲と称し,心臓病で貧血,動悸,浮腫状のある者を目標として用いる。四君子湯と合方して八珍湯と称し,諸衰弱症に用いる。


漢方処方解説〉 矢数 道明先生
 一般に貧血の症があって,皮膚枯燥し,脈は沈んで弱く,腹は軟弱で臍上に動悸を触れるものを目標とする。婦人の血の道症といわれる神経症状を鎮静させる効能がある。貧血を治すものであるが,血の熱をさまし,滋潤の作用があるので口磨が蒼白となるほど高度の貧血あるもの,および胃腸虚弱で泄瀉しやすいものには用いられない。


勿誤方函口訣〉 浅田 宗伯先生
 此方は局方の主治にて薬品を勘考するに,血道を滑かにする手段なり。夫れ故血虚は勿論,瘀血血塊の類,臍腹に滞積して種々の害を為すものに用ゆれば,譬えば戸障子の開闔にきしむ者に,上下の溝へ油をぬる如く,活血して通利を付けるなり。一概に血虚を補う者となすは非なり。東郭の説に任脈(正中線を通る経絡)動悸を発し,水分(臍上一寸)の穴にあたりて動築(動悸)最も劇しきものには肝虚の症は疑なし。肝虚すれば腎も倶に虚し,男女に限らず,必ず此所の動悸劇しくなるものなり。是れ即ち地黄を用ひる標的とす。


方意弁義〉 岡本 一抱先生
 一切血虚の主方と云へども,専ら肝血を補うを本とす。人身に血を主る蔵あり。其一には心血,心は血を生ず,二つには脾血,脾は血を総ぶと云ふて一身の血を総べあつむ。三つには肝血,肝は血を蔵すと云ふて周身の血此蔵と会聚す。故に心血の虚,肝血の虚,脾血の虚,各々別ちあり,然れども多くは肝血の虚なり,四物湯之を主る。総じて血虚は多くは独り虚するものに非ず,男は吐血,下血,女は小産崩漏,或ひは産すること数度,或ひは男女共に金瘡にて血を泄すか,いずれかに失血することあって血虚をなすなり,此の泄れ去る血はすべて肝血なり。此れ肝は血の常に聚まる蔵なる故なり又四物湯は肝部の薬なるによって心脾肝の分ちなく一切血虚の主方とす。


蕉窓方意解〉 和田 東郭先生
 此方,男子婦人肝気虚耗して虚血焰上,血液これが為に枯涸し,肝気益舒びず種々の病症を発するもの悉く皆これを主る。
 所謂肝虚とは独り肝気の虚するのみならず腎気も亦虚するなり,吾が門此症を指して肝虚の症と名ずく。仮令症候はいかに体にありとても,任脈動悸を発し,水分の穴に当りて動築最も劇しきものならば肝虚の症に疑ひなし。肝虚虚耗の人男女に限らず,必ず此の動築劇しくなるものと心得べし。是れ即ち地黄を用ひるの標的なり。



【副作用】
重大な副作用:特になし

その他の副作用

頻度不明
消化器 食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、下痢

理由
本剤には地黄(ジオウ)・川芎(センキュウ)・当帰(トウキ) が含まれているため、
食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、下痢等の消化器症状があらわれるおそれがある。
また、本剤による と思われる消化器症状が文献・学会で報告されている 。
処置方
原則的には投与中止にて改善するが、病態に応じて適切な処置を行うこと
  

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